シュトイヤー、純フランス産リード

多くの管楽器において、魂となるリードは、それを選んだ演奏家と心の底から共鳴することによってその演奏のあらゆる可能性を引き出すことができる…

ドイツ、1940年代終盤、ボーデン湖のほとりのリード作家、ゲブハルト・シュトイヤーは、音楽用葦(ケーン)の生産者であるオノラ・ドナティに協力を求めました。この葦、優れた振動を伝える特性が有名であるケーン、アルンド・ドナックスは、地中海沿い、フランスのヴァール県に生息しています。

カルケランヌ(フランスヴァール県)にあるドナティ家は、高品質のケーンの生産に精通していました。しなやかで柔軟性に富み、同時に頑丈である(曲げることはできるが割れることはない)、ごく小さな緻密なものを生みだす、この長い茎には、膨大な手入れが必要なのです。

茎であるケーンは生きています。親が我が子を育てるように、成長のための管理には愛情をたえまず注ぎ、時には厳しく、且つ揺るぎない物でなければなりません。

このケーンは、情熱をもって栽培されています。

曲げることができ、かつ数ヶ月の間南仏の風にもまれて≪筋力をつけた≫、唯一適応したこの木材だけが、演奏家の要求に欠かせない柔軟さと耐性を提供できるのです。

このようにして、リードは演奏家たちの要望に応えることができる訳です。

この演奏家への呼応はしかし、ほかの要素、例えばリードとマウスピースの結びつきや、その時その瞬間の演奏家の状態、心の高ぶり、感性、などにもよります。演奏家の数だけ、異なった音色があるのです。

1940年代後半に初めのコンタクトを持ってから、長い時を経てなお、ヴァールの土地から、1997年にハンスとドロテ・ギルハウスに引き継がれたシュトイヤー社へのケーンの発送は、絶えることなく続いていきました。

数十年後の2011年、シュトイヤー社が音楽用ケーンの農園にほど近いヴァール県カルケランの地を生産拠点として選んだ事は当然のことと言えるでしょう。

そして今日もなお、シュトイヤー社は、卓越した伝統の技術を守りながら、厳しい基準をもって演奏者にとって必要不可欠なリードの開発、生産を続けています。

リードはルーツである土壌に通ずる。